靴箱いっぱいのメモが、画面の速さに勝たせた話
ゲームセンターで、古いゲームをいくつも渡り歩いていました。画面が速すぎて、負けた理由が毎回ぼやけます。だから終わるたびに小さなメモを書いて靴箱へ入れ、あとで箱から適当に引いて練習しました。
機械にゲームを覚えさせるときも似ています。画面そのままを見せて、押すべき操作を自分で見つけさせます。直近の場面だけで覚えようとすると、さっきの流れに引っぱられて、たまたまの動きに振り回されがちでした。
面白いのが、わざと記憶の箱を作ったことです。機械の頭の中には「この場面でこの操作は良さそう」という点数表みたいなものがあります。新しい場面だけで書き直さず、過去の場面と操作と結果をメモの束としてためて、毎回ばらばらに選んで練習しました。靴箱のメモと同じ仕組みです。
機械が画面の動きをつかむ工夫もありました。写真一枚だと動きが分かりにくいので、直前の画面を重ねて見ます。見やすいように色を減らして小さく整え、同じ見方でどのゲームでも操作ごとの点数をまとめて出せるようにしました。
覚え方を安定させる小さな約束もありました。結果の印は、悪い、ふつう、良いの三つだけにします。点の大きいゲームに引っぱられにくいからです。で、たまにわざと変な操作もして様子を見ます。だんだん減らすけど、やめきりません。
同じやり方でいくつものゲームに挑むと、画面のどこを見るかを人が決めなくても、前よりうまく動ける場面が増えました。全部が完ぺきにはならないけど、頭が真っ白になる崩れ方が減ります。最後の数秒に縛られず、靴箱のメモで落ち着いて練習できるのが新しさでした。