そのヒント、安心させるだけかもしれません
空港の研修室で、見習いがパスポートを自動スキャナーに通します。教官は本物だと知っています。なのに機械の判定は隠されて、代わりに「色の重なり」か「自信の順番表」だけ渡されます。見習いは当たったか外れたかを今決めます。
多くの人は、そのヒントが見やすいか、納得できるかで良し悪しを決めがちです。で、気持ちよさは正しい判断と別でした。説得力があるヒントほど、間違っているのに信じさせることもあります。
そこで研修の出し方を変えます。毎回、画像と正解の種類名を見せた上で、機械の隠れた予想に結びついたヒントをひとつだけ出します。質問はひとつ、「機械は当てたと思いますか」です。答えは丸かバツで採点できます。
このやり方で、オンラインで多くの人に協力してもらい、ヒントの出し方をいくつも比べました。写真の上に色を重ねて「ここを見た」と示すタイプが多めで、もうひとつは絵ではなく、候補を自信の高い順に並べた一覧でした。
結果は意外でした。自信の順番表は、当たっているかどうかの見極めを助けることが多めでした。色の重なりは、当たっているときの信頼は上げやすい一方で、外れているのに見抜きにくくなることもありました。逆に、外れを見つけやすい重なり方もありましたが、当たりまで疑いやすくなりました。
面白いのが、機械がたまたま正解でも理由が怪しいことがある点です。たとえば本物のパスポートを通したのに、機械が見ていたのは偽造できそうなスタンプだけ、みたいな感じです。好きなヒントを聞くより、信じるべき時と疑うべき時の判断が上がるかで確かめた方がよさそうです。