まだ薄暗い空港で、監督役が閉まったカフェの前を通って案内カウンターへ向かいます。今日は新しい案内係の初日です。別室の小さな練習用カウンターでのメモを、何度も指でなぞっていました。
心配なのは、質問に答えられるかどうかじゃありません。人が増えて質問が混ざった時に、変な失敗が一気に広がることです。前も、隅では平気でも全体で急に崩れて、土壇場で直したことがありました。
で、今回は練習の仕方を変えました。小さな練習台の案内係を、少しずつ賢くして、同じテストでどれだけ間違いが減るかを並べます。文章の続きの外しやすさや、短いコード課題を終えられるかみたいな、数えやすい失敗だけを見ます。
その並び方が素直なら、本番の大きさでも、その手のテストはどの辺まで伸びそうか見当がつきます。つまり、練習台は小さな案内カウンターで、本番は空港全体です。面白いのが、全部の力を先に当てる話じゃなくて、一部の物差しだけ先に読めるところでした。
開場して人が流れ込むと、案内係は文章だけじゃなく、看板や用紙の写真にも返事を返します。手強い筆記の問題集みたいなものも試して、古い案内係より上に来ることが多いです。とはいえ、得意不得意は残って、競技みたいな細かい勝負だと伸びが弱いこともありました。
監督役が一番見ていたのは、間違いを自信たっぷりに言う時です。知らない出来事は知らないままだし、筋道を飛ばすこともあります。外部の人にも意地悪な聞き方をしてもらって、危ない頼みは断る練習を重ねましたが、抜け道を探す人がいれば穴は残ります。
夜、ノートを閉じた時、前と違うのは手触りでした。昔は本番を回してから慌てて直していました。今は、小さな練習台の記録から、決まったテストの範囲だけでも先に見当をつけられます。だから便利になっても、大事な場面では人の目で確かめる道具のままです。