大きな仕事を、少ない待ち合わせで仕上げるやり方
浜辺の作業小屋で、縫いかけの帆が風にバンッと鳴りました。ひとりだと広げたそばから折れて戻ります。なので何人かで砂に押さえ、各自が自分の布を縫い、つなぎ目で糸の張りをそろえます。
大きな文章づくりの仕組みを育てるときも、似た壁に当たります。ひとつの計算係の箱に、覚えておく数字だけじゃなく、覚え書きの数字まで入りきらないんです。前は小さくするか、分け方が下手で待ち時間が増えがちでした。
新しい考えは、まとまりごとに丸ごと分けるんじゃなく、その中身の計算も切り分けることでした。帆の布が「計算の切れ端」、縫い目が「大きな掛け算の区切り」、つなぎ目チェックが「途中結果を合わせる時」です。切り方が良いと、待ち合わせは少なくて済みます。
そのまとまりの中には、重い仕事がふたつあります。言葉をふくらませる部分と、文のどこを見るか決める部分です。各箱が自分の布を端から端まで縫ってから、つなぎ目で合わせます。ふくらませる方は、途中の形づくりを各自で済ませてから一度だけ足し合わせます。見る方は担当を分け、最後に同じ形で寄せ集めます。
待ち合わせを増やさないために、小さな用事は全員が同じものを持ちます。縫い手それぞれが自分のメジャーで印を付ける感じです。最後の「この単語にする?」の計算も、巨大な表を丸ごと渡さず、必要な分だけを合わせて答えを出すようにします。
人数が増えても、浜辺がごちゃつかずに帆だけが大きくなっていきました。計算係の箱をたくさん動かしても、つなぎ目の待ち時間が増えにくかったんです。大きい仕組みほど文章に戸惑いにくくなり、手直しで順番を整えると、サイズを上げても調子を崩しにくい。最後に糸を強く引く前に、先に測ってそろえる帆みたいでした。