小さな劇団が選んだのは、大人数じゃなく長い稽古でした
小さな劇場の作業場に、木くずのにおいが残っていました。巡業のトラックは一台だけ。演出家は迷います。大人数で回すか、少人数で台本を山ほど読んで稽古を重ねるか。
ふつうは「人数が多い方が強い」と思いますよね。言葉を作る道具も同じで、中のつまみが多いほど賢いと思われがちです。で、巡業だと大所帯は移動もお金も重い。稽古の量で勝てたら助かります。
結局、劇団は少人数に決めて、稽古時間に振り切りました。LLaMAも似た考えで、小さめから大きめまで何種類か作って、小さい方にもいつもよりずっと大量の文章を読ませました。公開されている文章だけを、幅広く集めたそうです。
長い稽古は、段取りが悪いとすぐ崩れます。立ち位置の印をはっきりさせて、毎回の手順をそろえて、ムダな息づかいを減らす。LLaMAも裏側を整えて、長い文章の途中で迷子になりにくくして、覚える作業が重くなりすぎない工夫を重ねました。
初日の本番、少人数なのに大きな場面が決まっていきます。LLaMAでも、小さい版が昔のずっと大きい版にいろいろ勝った、と言われました。計算やコードみたいな問題は、答えをいくつか出して、筋の通るものを選ぶと強くなる感じです。
拍手のあと、演出家はメモを見返します。人数が増えるほど言い方がきつく出たり、古い決めつけが混ざったりする場面がありました。LLaMAも、大きいほど荒い返事が増えることがあって、偏りや自信満々の言い間違いも残ります。少人数でも長い稽古で強くなる道は見えたけど、安全と正直さは放っておけない、という顔つきでした。