苗トレーの違和感を、数字で見つける話
雨上がりの苗畑で、作業台に若い木のトレーが二つ並びます。片方はいつもの仕入れ先、もう片方は新しい先で札がありません。苗を一つずつ見比べられないので、トレーごとに「同じ仲間っぽいか」を確かめたくなります。
最初は少し離れて、見た目のきれいさで判断します。どっちも青々して整って見えるのに、茎が少し細いとか、葉の手触りのムラみたいな不安が残ります。写真っぽい点数でまとめて比べると、肝心の差がすり抜けます。
そこで、苗ごとにチェック表を作ります。高さ、形、表面のざらつきっぽさ、明るさのムラみたいに、誰が見ても同じやり方で数えられる項目です。つまり、説明できる測り方でトレー同士を比べます。
面白いのが、同じチェックでも工夫します。普通の光だけじゃなく、違う色のフィルター越しに照らして細い筋や輪郭も拾います。極端に背の高い苗に引っぱられない物差しに替えて、基準は信頼できるトレー側にそろえます。
こうして二つのトレーは、たくさんの項目が作る「点の集まり」になります。点の集まりの真ん中がどれだけズレたか、広がり方がどれだけ違うかをまとめて距離にします。距離が大きすぎて扱いにくいときは、ほどよく丸めます。
搬入口では、その距離が警告灯になります。いつもの感じのトレーは低く収まり、場違いな便は高く出ます。理由を決めつけなくても、早めに「確認が必要」と分かります。まとめて見やすい、確率っぽい合図も出せます。
苗が少ない日でも、このやり方は揺れにくいです。見た目だけ整えたトレーが来ても、フィルター越しの項目が輪郭のぼやけみたいな違和感を拾います。作業台の紙には、どの項目が動いたかが残っていて、指で示せます。