奇妙なモンスター専門のステンドグラス工房
ある工房では、白黒のスケッチを光り輝くステンドグラスに変える仕事をしています。でも、ここに届くのは普通の似顔絵ではありません。角があったり、ありえない場所に尻尾があったりする、形が予測できない「モンスター」の絵ばかりなのです。
今までの自動ツールは、人間の顔しか知らない見習いのようなものでした。「目はここにあるはず」という思い込みが強いため、自由な形のモンスターを渡されると混乱してしまいます。その結果、ガラスをはめ込めず、穴だらけの失敗作になっていました。
そこで、職人を鍛えるための「教科書」を作り直しました。手本となる絵の線を太く調整して形を教え、使う色も「10色のチップ」に絞って覚え込ませます。こうして、複雑な形と色の関係をあらかじめ学ばせたのです。
こうして育った二人の職人が、実際の仕事に挑みます。一人は「正確さ」担当で、色は合っていますが仕上がりは平坦。もう一人は「質感」担当で、光の表現は美しいけれど、肝心の色を間違えてしまう。どちらも完璧ではありません。
突破口は、二人の作業を「重ねる」ことでした。まず正確な色を配置し、その上から光と影の質感を焼き付けます。こうすることで、色がずれるのを防ぎつつ、平坦だったガラスに奥行きを与えることができたのです。
完成したのは、水彩画のような深みと正しい色を持つ、生き生きとしたモンスターでした。色という「情報」と、光という「質感」を分けて処理すれば、どんなに奇妙な形のスケッチでも、美しく命を吹き込めるのです。