公園の意見カードを守りながらまとめる夜
公民館の折りたたみ机で、私は公園の遊具についての意見カードを山のように並べました。気持ちがこもった文もあります。誰が書いたかは守りたいので、一枚から拾うのは少しだけにして、まとめのメモに小さな走り書きも混ぜました。
ところが加減が難しいです。カードの言葉をそのまま多く写すと、近所の人が「あの人の文だ」と気づきかねません。走り書きを増やしすぎると、何が大事か分からなくなって、公園の案がずれてしまいます。
面白いのが、同じ悩みが「たくさんの人の記録からコツを覚える仕組み」にもあることです。みんなの傾向はつかみたいのに、誰か一人の細かい事情を丸暗記してほしくないんです。だから一人の押しが強すぎないように、最初から上限を決めます。
私は長文のカードでも、拾う要点を決めた分だけにしました。仕組みのほうでも、一人ぶんの影響が大きくなりすぎないように、動かせる幅をきっちり止めます。共通しているのは、いちばん強い声が全体をねじ曲げないようにするところです。ひとことで言うと、目立つ一人を作らない工夫です。
それから私は、今日のまとめに少しだけ意味のない走り書きを足しました。仕組みのほうも、みんなの分をならしてから、わざと少しだけゆらぎを混ぜて更新します。これで「この人の情報が入ってる」と当てにくくなります。それでも、ならした方向は残るので役に立ちます。
実際の作業だと、話題によって守り方を変えます。名前や体のことみたいに敏感な話は、拾う量をもっと少なめにして、ゆらぎも手厚くします。遊具の色みたいに無害な話は、少しだけ細かくしても平気です。カードは小分けに読んでも、最後に書くのは全体を守った一枚のまとめだけにします。
もう一つの悩みは、毎日の積み重ねです。雑に数えると、週の終わりには危なさを大きく見積もってしまって、走り書きを入れすぎます。私は小さな危なさの足し算を、もう少し丁寧に記録する帳面に変えました。約束は正直なまま、無駄なにじませ方が減りました。
その夜、私はカードの言葉を丸写しせずに、公園の望まれている形をちゃんと描けました。前なら、守るためにぐちゃぐちゃなメモにするか、守れないほど細かく書くかで迷っていたはずです。上限で押しを止めて、ならしてから少しだけゆらがせて、積み重ねも丁寧に数える。これで、役に立つまとめと約束が同じ机の上に並びました。