網の作り方を変えたら、写真を見る頭も変わりました
港の小さな小屋で、荒れた日に備えて漁網を直していました。新しい段を縫うたび、ひとつ前だけじゃなく、前の段にも細い糸を通していきます。端を引くと、たくさんの結び目がいっせいに効く感じです。
ふつうの作り方だと、網はリレーみたいになります。新しい段は直前の段からしか受け取れません。昔のいい結び目があっても伝わりにくくて、同じ結び方をまた作って糸が無駄になります。
面白いのが、ある区切りの中では新しい段が前の段ぜんぶを使える作り方です。一本に混ぜてしまわず、糸束を横に並べて残します。つまり昔の手がかりが形のまま置いてあり、あとから好きなものを選んで使えます。
でも糸束が増えすぎると重くなります。そこで新しい段が足す糸は少しだけにして、足りない分は使い回します。結ぶ前にいったん細い輪に通して束ねる手も入れて、作業がもたつかないようにします。
区切りと区切りの間では、網目の大きさを変えないといけません。広い面から細かい面へ移る前に、いったんたたんで整えて、余った糸を減らします。同じ大きさの間は共有を濃くして、次へ行く前にきゅっと整理する流れです。
この作り方は、写真を読む仕組みでも似た効き方をします。深く重ねても、前の手がかりが途中で薄れにくいので、同じくらいの出来なら無駄な重さを減らせることがあります。結局、結び目を増やすより、つながり方を変えるのが新しさでした。